医療情報学
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大会企画シンポジウム4
ナショナルデータベースの今後
木村 映善吉原 博幸高林 克日己中島 直樹平松 達雄吉村 健祐
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2025 年 45 巻 2 号 p. 77-81

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抄録

 厚生労働省が管理する公的データベースとして,1:NDB(レセプト情報・特定健診等情報データベース),2:介護保険総合データサービス(介護DB),3:Diagnosis Procedure Combination(DPC)データベース,4:障害福祉サービスデータベース,5:匿名予防接種データベース,6:感染症DB,7:難病・小慢(小児慢性疾患)DB,8:全国がん登録DBが存在する.これらのデータベースは医療における大規模かつ長期にわたるデータ収集を背景として政府における医療支援を目的として創設され,運用されてきた.相互運用性の規格が十分に普及する前に医療情報の収集と運用の必要性が生じたこと,また政府によって定められたフォーマットによって提出されたデータのみを扱っていたため,異なる情報サービスを通信するプロトコルやフォーマット等の共通化を経ずとも運用が開始できたことが,各サービスの充実に伴うマッピング作業の簡略化につながり,サービス提供が迅速化できる利点があった.一方,情報活用に関する考察からは,データ収集事業間での名寄せ問題,診療報酬請求や定型的な業務上の報告以外の多種多様な医療情報に関して情報ラベルの呼称ならびに情報フォーマットが継続的に議論され策定されてきた.また,政府が掲げる医療DXでは,3文書6情報の流通・活用や電子カルテ診療録情報のレセプト付帯による活用シーンの拡大が期待されている.

 本セッションでは,医療情報学会に深く関連して提案,実装,運用されてきた大学病院・公的データベースについて共通認識を醸成することを目的とする.医薬品等の安全対策の高度化推進を目的として,拠点病院からのレセプト,電子カルテ,DPC,検査データを収集しているMID-NETプロジェクトや,健診結果や診療録(電子カルテ)を顕名で収集し匿名加工医療情報を提供することを通して民間企業による研究開発にも開かれた次世代医療基盤法下の認定匿名加工医療情報事業者制度が推進されている.さらに,FDAと米国製薬企業連合による合弁プロジェクトであるObservational Medical Outcomes Partnership(OMOP)が診療報酬請求情報を集積し,主に医薬品安全性調査の調査活動を実施した.このOMOPプロジェクトが終了したあとに,研究者コミュニティによるObservational Health Data Science and Informatics(OHDSI)コンソーシアムが結成され,OMOP CDMを国際的なRWD解析のための共通モデルとして引き継いで広がりをみせている.本セッションでは,診療・研究における医療ナショナルデータベースの今後について,あるべき姿ならびに実施可能なロードマップについて広く議論し,認識を深める場とすることを目的とする.

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© 2025 一般社団法人 日本医療情報学会
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