日本岩石鉱物鉱床学会 学術講演会 講演要旨集
2004年 日本岩石鉱物鉱床学会 学術講演会
セッションID: G1-02
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G1:サブダクションファクトリー
フロント側活火山のカンラン石斑晶メルト包有物中の角閃石と高Al単斜輝石
*太田 靖山口 佳昭山口 珠美
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抄録
火山フロント噴出物中のカンラン石斑晶メルト包有物中に角閃石・高Al単斜輝石・Ca斜長石が多く包有されている.このような鉱物は,単斜輝石・斜方輝石・斜長石・Fe-Ti酸化物の斑晶には全く捕獲されていない.カンラン石斑晶が捕獲しているメルトはいずれもマフィックな組成を示し,このマフィックメルトは島弧沈み込み帯の上で生じる初生マグマに近いものであると期待される.これらのメルトとともに角閃石が捕獲またはこのメルト中から角閃石を晶出させていること,高Al単斜輝石がカンラン石に包有あるいはメルト包有物中に娘鉱物として晶出していること,Ca斜長石がカンラン石に包有されていることから,沈み込み帯で生じる初生マグマも含水量が高かったことが示唆される.初生マグマは水を多く含有し,fO2も高く,カンラン石のほかに角閃石(pargasite),高Al単斜輝石,Ca斜長石,スピネルが晶出,または飽和に近い条件にあったと考えられる.
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© 2004 日本鉱物科学会
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