抄録
我々は,大崩山花崗岩体において,カリ長石と接する斜長石縁部にのみに見られ,サブソリダス反応により形成されたと考えられる2つの組織の相違を明らかにし,ミルメカイト形成プロセスの解明を目指す.2つの組織とは,1つはミルメカイトであり,もう1つは,虫食い状石英がなく本体の斜長石と光学的に連続しないアルバイトに富んだ反応帯である.ミルメカイト,反応帯とも斜長石とカリ長石の閉じた系では,マスバランスが取れず,両者とも開いた系で形成されることを示す.これらの形成に対して,様々な保存則に照らし合わせた結果,反応帯は,粒間中のシリカを用いて,あるいはシリカ保存という条件下でカリ長石のOr成分が関与することで形成される.それに対してミルメカイトは,反応の結果として石英を放出する.このことから,結晶粒間にシリカが飽和している場合に反応帯が形成され,結晶粒間にシリカがない場合にミルメカイトが形成されると考える.