日本岩石鉱物鉱床学会 学術講演会 講演要旨集
2005年 日本岩石鉱物鉱床学会 学術講演会
セッションID: G5-01
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G5:火山及び火山岩
大雪火山,旭岳のマグマ混合過程と端成分マグマ
*佐藤 鋭一和田 恵治
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抄録
大雪火山,旭岳のマグマ混合過程を考察し,端成分マグマの組成を斜長石斑晶のモード・組成に基づいた方法から推定した.噴出物中の斜長石斑晶コアの An 値はバイモーダルな組成を示す.したがって,type-A 斜長石斑晶を含む苦鉄質マグマと type-B 斜長石斑晶を含む珪長質マグマが混合したと考えられる.また,type-A 斜長石斑晶はコアの MgO 量から 2 つのタイプに分類できる.これらは異なる苦鉄質マグマから晶出したと考えられ,旭岳では,2 つの苦鉄質マグマと 1 つの珪長質マグマの混合が行われた.斜長石斑晶量は全岩 SiO2 量に対して直線的に増加する.直線は最小 2 乗法から求めると y=-126.0+2.4x (1) となる(x: 全岩 SiO2 量, y: 斜長石斑晶量).端成分マグマの SiO2 量を試行錯誤的に定めると (1) 式から,端成分の斜長石斑晶量が求まる.両マグマが混合した場合,混合安山岩の斜長石斑晶量比と全岩組成に最もよく適合する端成分の組成は,苦鉄質端成分マグマが SiO2=57 wt.%,珪長質端成分マグマがSiO2=66 wt.% となる.
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© 2005 日本鉱物科学会
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