日本岩石鉱物鉱床学会 学術講演会 講演要旨集
2005年 日本岩石鉱物鉱床学会 学術講演会
セッションID: G6-07
会議情報

G6:岩石・鉱物・鉱床学一般
阿寒湯の滝産マンガンワッドのテフロクロノロジー
*三浦 裕行和田 恵治勝井 義雄
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録
北海道阿寒湯の滝では現世の温泉から酸化マンガン鉱床の生成が観察される。今回広域テフラに挟まれた4層の酸化マンガン堆積物を含む露頭を発見した。各テフラはその化学的特徴から摩周カムイヌプリ火山灰(Ma-b:約1000年前)、駒ヶ岳1694年火山灰(Ko-c2)、樽前山1739火山灰(Ta-a)、駒ヶ岳1856火山灰(Ko-c1)と同定された。最下部のマンガン酸化物層はポンマチネシリの噴火活動に伴う泥流堆積物(4500-5000年前)の直上に表土を挟まずに堆積しているので湯の滝における酸化マンガンの沈殿はほぼ4500-5000年以前から継続しているものと推定された。上部の145年より若い試料は現世試料と同じ藻類のフィラメント状構造を示して柔らかいが、1000年以上経過した試料では大きな粒子状構造に変化している。酸化マンガン鉱物はすべての試料で10Åの回折線を示すが、最下部のものは一部7Å相が存在し、堆積後4500-5000年で10Å相から7Å相への変化が始まることが明らかとなった。
著者関連情報
© 2005 日本鉱物科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top