医学検査
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血液培養由来β溶血性レンサ球菌検出率と感受性の年次推移
伊藤 愛美野村 秀和森本 瞳鎌倉 明美棚村 一彦赤津 義文大塚 喜人
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2014 年 63 巻 2 号 p. 236-240

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抄録
2007・2009・2011年度の3ヶ年に5施設の血液培養から検出されたβ溶血性レンサ球菌216株を対象に,Streptococcus pyogenes(Group A Streptococcus:GAS),Streptococcus agalactiae(Group B Streptococcus:GBS)およびGAS・GBS以外のβ溶血性レンサ球菌(non-AB)の3つの菌グループに区分し,検出率と抗菌薬感受性の推移を調査した.検出率に大きな変動は無かったが,S. equisimilisと推定される菌グループの割合が上昇していた.抗菌薬感受性はいずれの菌グループもペニシリン系抗菌薬に感受性であった.エリスロマイシン(EM)耐性は,GASでは2011年度に7株中2株(28.6%)が耐性であり,少ない株数の中にも耐性株が認められた.GBSのEM耐性率に大きな変動は無かったが,non-ABでは耐性率が上昇傾向であった.レボフロキサシン(LVFX)耐性はGBSで年々上昇しており,2011年度には61.1%であった.また,non-ABでも2011年度に1株耐性株が認められ,今後の抗菌薬耐性化に注視が必要である.
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© 2014 一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
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