重症筋無力症(MG)はアセチルコリン受容体(AChR)もしくは,muscle-specific receptor tyrosine kinase(MuSK)に対する自己抗体による神経筋接合部の伝達障害が原因で発症する自己免疫性疾患である.MGの診断には主に反復神経刺激試験(RNS),抗AChR抗体測定,テンシロンテストが行われる.われわれは全身型重症筋無力症と診断された14歳8ヵ月,女児のRNSの臨床経過を報告する.患児は寛解と再発を繰り返し,寛解時にはRNSにて漸減現象が消失し,再発時には認められるようになった.RNSの結果は患児の臨床経過に伴い変化した.RNSは血清抗AChR抗体濃度より鋭敏に再発を捉えられた.