医学検査
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技術論文
質量分析法(VITEK MS)と生化学的性状による臨床分離株同定の比較検討
服部 拓哉西山 秀樹池上 志乃富鈴木 真由子村上 いつか美濃島 慎山岸 宏江湯浅 典博
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2014 年 63 巻 5 号 p. 573-578

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抄録
マトリックス支援レーザー脱離・イオン化―飛行時間型質量分析(MALDI-TOF MS)法による細菌名同定に関する報告は多数あるが,最新のMALDI-TOF MS装置であるVITEK MSと従来の細菌名同定法を比較した報告は少ない.我々は臨床分離株314株を用いて,VITEK MSと細菌の生化学的性状に基づく菌名同定機器VITEK2の菌名同定結果を比較した.VITEK MSの同定率は属レベルで93.6%,種レベルで88.9%,VITEK2の同定率は属レベルで95.9%,種レベルで85.0%であった.属レベルではVITEK2の方がVITEK MSより高い同定率を示したが,種レベルではVITEK MSがVITEK2より有意に高い同定率を示した.腸内細菌科の株では検査手技に起因してVITEK MSで菌種が同定できないことがあった.手技の向上及びデータベースの整備によりVITEK MSの同定率は上がると考えられる.
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© 2014 一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
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