医学検査
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技術論文
ルミパルスfを用いたHIV Ag/Ab同時検出試薬の性能評価
石垣 卓也服部 佳奈子山中 基子堀田 多恵子康 東天
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2015 年 64 巻 3 号 p. 343-349

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抄録
今回,富士レビオ社が開発した第4世代検査試薬である「ルミパルスHIV Ag/Ab」(以下,本試薬)の性能評価を行った。同時再現性,日差再現性,およびプロゾーン試験に関しては良好な結果であった。同じ第4世代検査試薬であるアーキテクト・HIV Ag/Abコンボアッセイ,およびHISCL HIV Ag;Ab試薬を用いたSeroconversion Panelの測定結果では,4種中2種において本試薬が最も早期に検出した。残り2種においても他試薬と同等の検出時期であった。HIV-1 p24抗原の希釈感度試験においても本試薬はHISCL HIV Ag;Ab試薬と同等の検出感度であり,高い検出感度を有していることが示唆された。一方,干渉物質の影響では乳びにて負の影響,およびRFにて正の影響が認められた。また相関試験では,本試薬のみ陽性となった検体が2例認められ,マイクロフィブリンの影響が示唆された。以上のことから本試薬は第4世代検査試薬の特徴であるHIV-1 p24抗原の検出感度に優れ,早期検出が期待できるが,RFによる影響やマイクロフィブリンによる偽陽性などが発生するため,陽性を示した際は判定に注意する必要がある。
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© 2015 一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
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