近年,職能団体としての技師会活動に参加する若手臨床検査技師の参加率の低下や,技師会役員の固定化が憂慮されている。この問題に対し,全国規模の学会でも若手参加型の技師会をつくるための議論の場が設けられた。長野県臨床検査技師会は日本医学検査学会のシンポジウム開催を契機に,若手臨床検査技師で構成する若手企画実行委員会を立ち上げた。この委員会は,若手検査技師が技師会に求めるニーズを調査し,そのニーズに対応するべく,「コミュニケーション特化型研修会」や「実習型研修会」等の企画を立案し,4年間にわたり活動してきた。これらの研修会を実施した結果,若手技師による複数の施設協同による学会発表や,施設間の垣根を越えた自主的な勉強会が開催されるなどの変化がみられた。また,学会発表における若手技師の意識の向上にも貢献したと考えられる。さらに,若手技師の技師会活動への参画が活発になったことで,各研究班における役員に若手技師の登用も進んだ。この委員会は,これらの業績を評価され,のちに青年局という名称で技師会内に再組織された。若手技師参加型の技師会になるためには,若手のニーズの変化を常に探る努力が必要であり,そこに技師会のシーズを合致させることが必要不可欠である。そのためにも,各都道府県技師会が若手技師を積極的に技師会組織に登用し,若手技師で構成される組織を技師会内に内包することが有用と考えられる。