医学検査
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第二部
尿沈渣検査
(一社)日本臨床衛生検査技師会 尿沈渣特集号編集部会
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2017 年 66 巻 J-STAGE-1 号 p. 18-50

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抄録

尿沈渣検査は,非侵襲的に繰り返して実施できる形態学的検査として重要である。そのため,尿中の成分である上皮細胞類,非上皮細胞類(血球類),円柱類,塩類・結晶類,微生物類についてそれぞれ正確に分類と計測をすることが必要である。尿沈渣検査の臨床的意義は,第一に腎・尿路系に病変があるかどうかのスクリーニング,第二にすでに確認された腎・尿路系の病変に対する治療効果や薬剤の副作用の判定についての情報収集の両者である。病態の推定は尿沈渣検査の結果のみではなく尿蛋白,尿潜血反応に代表される尿定性検査や生化学的な検査(血液化学検査)などの結果から総合的に判断される。しかし,画像診断や免疫学的検査の進歩によって腎・尿路系の病変の把握が可能になり,尿検査はスクリーニング検査としての価値が一層高まってきている。このような流れの中で,効率的に尿スクリーニング検査を行い,尿から病態を考え,患者・健診受診者に有用な情報を観察し,かつ提供するという検査の目的を明確にして検査にあたりたい。本稿では尿沈渣検査の技術的手法のみならずその役割について解説する。

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© 2017 一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
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