医学検査
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第三部
尿沈渣アトラス:VI 塩類・結晶類―塩類,通常結晶類,異常結晶類,薬物結晶類―
(一社)日本臨床衛生検査技師会 尿沈渣特集号編集部会
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2017 年 66 巻 J-STAGE-1 号 p. 147-154

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抄録

尿沈渣検査は,尿中に出現する成分を尿の遠心操作にて得られた沈殿物を観察する検査である。尿沈渣の標本作成における操作が単純であるにもかかわらず,尿沈渣に出現する成分は多種多様であるため,鑑別が非常に複雑である。その要因としては,尿沈渣に出現する尿中有形成分が,ひとつの成分においても様々な形態で存在することがある。たとえばシュウ酸カルシウム結晶では正八面体型とビスケット型,コマ型などが存在し,尿細管上皮細胞に至っては基本型,特殊型と細胞形態のバリエーションが多岐にわたる。このように尿沈渣検査では成分を正しく鑑別するための知識と技術が必要である。この部では,尿沈渣に出現する基本的な尿中有形成分を鑑別する知識を習得するために,最も基本となる成分の写真について「尿沈渣検査法2010」の尿沈渣アトラスを引用(一部改編)し掲載する。また「*」でマークした写真は,尿沈渣成分の新たな情報として追加したものである.この尿沈渣アトラスを利用し,各成分の特徴を捉えることをしっかりと身につけ,今後遭遇するであろう鑑別困難な成分に対しても対処できるよう,基礎知識を学習することを目的とする。

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© 2017 一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
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