赤痢アメーバ(Entamoeba histolytica)の検査は,直接塗抹法やヨード法が一般的である。今回我々は,過ヨウ素酸シッフ染色(Periodic acid-Schiff;PAS染色),メイ・グリュンワルド・ギムザ二重染色(May-Grünwald Giemsa;MG染色),パパニコロウ染色(Papanicolaou;Pap染色),ヘマトキシリン・エオジン染色(Hematoxylin Eosin;HE染色)を赤痢アメーバ感染症3症例で行った。核染色に優れたMG染色,Pap染色,HE染色は栄養型(trophozoite)の核小体や染色質顆粒,嚢子(cyst),類染色質体の観察に有用であった。また,内質における赤血球の確認も可能であった。肝膿瘍の穿刺液では,PAS染色で赤紫色に染まる栄養型を確認できた。これらの染色は,赤痢アメーバ検査に有用であった。