臨床検査値のうち感染指標である,白血球(white blood cell; WBC)数,C-reactive protein(CRP)値,エンドトキシンについて,血流感染における診断上の有用性を検討した。平成24年4月~29年3月の期間に0~18歳の患児において血培陽性となった151エピソードを対象に,血液培養提出日および前日と翌日におけるWBCとCRP値,エンドトキシンの分析結果を後方視的に調査した。陽性群(126エピソード)とコンタミ群(25エピソード)に分け,WBC数とCRP値を比較したところ,提出日のCRP値は陽性群が有意に高値であった。カットオフ値は1.70 mg/dL(感度55.6%,特異度78.3%,陽性的中率93.3%)であった。CRPの高値は陽性の判断には有用だが,低値による否定は行うべきではないと思われた。また,WBC数の前日値との差およびCRP値の翌日値との差も,陽性群が有意に高値であり,これらも参考になり得る情報と考える。一方,エンドトキシンの分析は,151エピソードのうち33例で行われ10例(30.3%)が陽性であった。グラム陰性桿菌が検出されたエピソードの陽性率は75.0%(9例/12例)であった。当分析は,より早い段階での対応につながる。