2019 年 68 巻 1 号 p. 156-163
私は独立行政法人国際協力機構(Japan International Cooperation Agency; JICA)シニアボランティア(senior volunteers; SV)として2年間,サモア独立国の国立病院の臨床検査室に機能向上を目的として派遣された。この派遣は私にとって開発途上国の実情を学ぶのに有用であっただけでなく,日本では知りえることのない様々な経験をすることにつながった。この経験をもとにして日本の臨床検査技師が開発途上国の臨床検査室の発展のために,どのような貢献が出来るのかを考えた。一人でも多くの臨床検査技師が開発途上国の臨床検査状況を知り,その経験を基に日本だけでなく世界の臨床検査の発展に寄与していくことを望む。また(一社)日本臨床衛生検査技師会としても国際的に活動を希望する臨床検査技師の育成・支援を期待する。