当センターのNSTは,医師,看護師,薬剤師,リハビリテーションスタッフや臨床検査技師などで構成され,定期的なNST介入と適切な栄養療法により,患者の栄養状態改善をサポートすることを目的としている。NST介入は慢性期の患者が対象であったが,急性期の患者についても介入が行われてきている。今回,2016年1月から6月に2回以上のNST介入を施行し,死亡退院した患者を除いた80名(男48名,女32名)の急性期患者を対象とした。NST介入により血液検査値(血清アルブミン,総リンパ球数,総コレステロール,C-reactive protein),controlling nutritional status(CONUT)スコア,SGA(主観的包括的評価)が有意に改善した(p < 0.01)。また,NST介入終了時の多面的な栄養評価であるCONUTスコアに関連する因子として,重回帰分析にてNST介入前のアルブミン値(p < 0.01)と年齢(p < 0.01)が挙げられた。次に,NST介入期間に関連する因子として,重回帰分析にて栄養関連パラメーターは残らず,手術の有無(p < 0.01)と感染の有無(p = 0.014)が残った。今回の検討から,NST介入前後で栄養指標の有意な改善が見られるが,高齢者とNST介入前アルブミン低値例では注意が必要と考えられ,NST介入期間に関しては,感染症合併症例や手術症例では延長すると考えられた。