医学検査
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技術論文
ハイドロキシアパタイト沈着症の関節液診断染色法の検討
蜂須賀 大輔中西 豊文岩﨑 卓識神野 雄大土井 昭夫服部 聡長嶌 和子星 雅人
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2024 年 73 巻 4 号 p. 719-725

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抄録

結晶誘発性関節炎は様々な結晶形成から起こり,リウマチ性疾患である痛風(尿酸ナトリウム結晶),偽痛風(ピロリン酸カルシウム結晶)は結晶誘発性関節炎で最も多い疾患であるが,ハイドロキシアパタイト結晶(hydroxyapatite crystal;HA結晶)がこの病態に寄与することはまれである。HA結晶は単純な偏光顕微鏡下で特徴的な複屈折性を持たないため,正確な評価に困難をもたらす。同定には従来,電子顕微鏡法かアリザリン赤S染色が用いられてきたが,多くの医療機関ではこれらの方法を利用できる環境は限られている。本研究では,ハイドロキシアパタイト沈着症の関節液診断に最も有用な染色方法として,コッサ反応,ヘマトキシリン・エオシン染色(hematoxylin-eosin; HE)及びギムザ染色を検討した。その結果,コッサ反応とHE染色は特に高い陽性率を示した。RGBヒストグラムを用いた画像解析から,コッサ反応はHA結晶,白血球,背景の間に明瞭なコントラストを与えることがわかった。この結果は,コッサ反応がHA結晶同定のためのアリザリン赤S染色に代わる有効な方法として有望であることを示唆している。このことは,従来の方法が利用できない場面において,結晶誘発性関節炎の実用的診断ツールとしての潜在的有用性を強調するものである。

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© 2024 一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
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