日本臨床衛生検査技師会(以下,日臨技)では「令和6年能登半島地震」に伴い災害対策本部を立ち上げ,都道府県臨床(衛生)検査技師会との連携のもと,被災地における検査を受ける際のリスクを最小限に抑え,患者にとって信頼できる臨床検査データの提供および被災住民を救援するため,職能組織として約3ヵ月にわたり継続的に臨床検査技師の派遣を行った。そこで,今回の経験が今後に繋がるよう災害時医療救援活動等において臨床検査技師が果たした役割と今後の課題について検証した。職能組織としての役割を果たすため,リエゾンを派遣するとともに関係団体や行政機関等と連携,協力した活動の経緯と結果から,①初動体制,②被災地における臨床検査試薬提供,③臨床検査技師の派遣,④派遣者の宿泊先の確保,⑤都道府県臨床(衛生)検査技師会における対応,⑥新たに実施した活動等における活動定着化のための実施マニュアル作成と訓練,⑦限られた医療資源の効果的な分配など,日臨技として方針の策定が今後の課題として挙げられた。今回の活動経験により,職能組織として臨床検査技師が果たせる役割は多岐にわたることを踏まえ,限られた医療資源を効果的に分配するため,以後の災害時救援活動においては,日臨技として「何が実施でき・行うか」ではなく,「何が求められており・どうしたらできるか」について,災害時における対応方針を立てていく必要がある。