2025 年 74 巻 2 号 p. 383-389
近年,尿沈渣検査の効率化を目的として尿中有形成分分析装置を導入し,目視率の軽減を図る施設が増加している。尿中有形成分分析装置の主な測定原理としては,フローサイトメトリー法と画像解析法があり,それぞれの機器の特長を活かした解析がなされている。マルベリー小体の検出はファブリー病のスクリーニング検査として重要であるが,マルベリー小体の検出は目視法でも困難であり,これまでに尿中有形成分分析装置においてもマルベリー小体を検出したという報告は見当たらない。当院では,2020年4月にアークレイ社の画像解析法を用いた尿中有形成分分析装置AUTION EYE AI-4510(以下,AI-4510)を導入した。今回我々は,様々な形態を示すマルベリー小体についてAI-4510にて画像検証を行ったので報告する。