医学検査
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技術論文
Cell-free DNAの適正保存条件に関する基礎検討―リキッドバイオプシーの標準化に向けた試み―
一ノ瀨 佑果宮本 直樹橫山 史美梶原 亮佑井上 賢二河原 明彦川野 祐幸内藤 嘉紀
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2025 年 74 巻 3 号 p. 537-543

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Abstract

がん遺伝子パネル検査は次世代シーケンサーを用いたがん関連遺伝子の網羅的解析手法であり,一般的に組織検体を使用するが,血液中のcell-free DNA(以下,cfDNA)を検体とするリキッドバイオプシー(以下,LBx)が注目されている。LBxにおけるcfDNA分析では,採血から分析に至る手順の標準化が課題であり,採血管の種類や保存条件がcfDNAの品質に与える影響についての検証が求められている。健常人10名を対象に3種類の採血管(EDTA-2Na,EDTA-2K,セルフリーDNA抽出専用採血管)に採血を行い,血漿よりcfDNAを抽出後,総DNA濃度を蛍光法で測定し,−80℃で保存した。保存したcfDNAは7日以内,1カ月,3カ月,6カ月後に融解し,電気泳動によるバンドパターンを比較した。その結果,採血管の種類によって総DNA収量に有意差は認められず,−80℃での保存期間や採血管の違いによるcfDNAのバンドパターンの変化も確認されなかった。これらの結果から,EDTA採血管はセルフリーDNA抽出専用採血管の代替として使用でき,cfDNAは−80℃保存で6カ月間その品質を維持できることが示唆された。本研究は,LBxにおけるcfDNA分析手順の標準化に寄与する有益な知見を提供する。

Translated Abstract

Comprehensive genomic profiling method typically uses tissue samples to analyze cancer-related genes via next-generation sequencing. Liquid biopsy using blood cell-free DNA (cfDNA) has recently gained attention. However, standardization of procedures from blood collection to analysis remains challenging, particularly due to the unknown effects of collection tube type and storage conditions on cfDNA quality. In this study, blood samples were collected from 10 healthy individuals in three types of tubes: ethylenediaminetetraacetic acid (EDTA)-2Na, EDTA-2K, and cfDNA tubes. cfDNA was extracted from the plasma, and total DNA concentration was measured via fluorescence assay. All samples were stored at –80°C and analyzed at different time points (within 7 days and 1, 3, and 6 months), and cfDNA band patterns were examined. Notably, no significant differences in total DNA yield were observed among all tube types. Moreover, cfDNA band patterns were consistent across all tube types and storage durations. Therefore, both EDTA tubes can replace cfDNA tubes for cfDNA extraction. Furthermore, cfDNA quality was maintained for up to 6 months under –80°C storage conditions. Overall, this study provides critical insights for the standardization of cfDNA analysis in liquid biopsy, facilitating the design of more reliable and reproducible workflows in clinical and research settings.

I  はじめに

がん遺伝子パネル検査(包括的ゲノムプロファイリング検査,comprehensive genomic profiling; CGP,以下,CGP検査)は次世代シーケンサーを用いたがん関連遺伝子の網羅的解析により,がん患者の標準治療後の二次的治療を目的とした検査である。CGP検査は通常,組織検体を用いるが,血液検体中に存在するcell-free DNA(以下,cfDNA)のうち,腫瘍細胞に由来する循環腫瘍DNA(circulating tumor DNA; ctDNA)をターゲットにしたリキッドバイオプシー(Liquid Biopsy; LBx)が注目されている。cfDNAは主に細胞のアポトーシスなどに伴い血液中に遊離したDNAで,遠心分画においては血漿中に存在し,電気泳動では約170 bpのモノヌクレオソームに相当する顕著なピークが観察される1),2)。LBxは検体採取の容易さから,CGP検査のみならず,がんの早期発見,予後予測,残存腫瘍検出,治療効果判定など多方面での活用が期待されている3)~6)。一方で,LBxの血液採取からcfDNA分析までの分析前手順に関して,採血管,サンプルの保存温度・保存期間,血漿分離までに要した時間,溶血など様々な要因がcfDNAの収量や品質に影響し,以降の分析結果に影響を与えることが明らかになっている7)。しかしながら,LBxで統一された分析前手順は確立されておらず,現在のところ各施設で異なっている8)。したがって,今後LBxを用いたcfDNA分析の臨床診療への普及や分析結果の精度保証を考慮すると,分析前手順の標準化は必須であると言える。

血液採取時に血液凝固が起こると,血球細胞由来のDNAが混入するため,cfDNA抽出には抗凝固剤入りの採血管を用いるのが一般的である9)。実験検討ではEDTA採血管がよく使用されているが,CGP検査のような実臨床では,抗凝固剤と細胞安定化剤が含まれた採血管(以下,専用採血管)が使用され,これにより全血でcfDNAを数日間安定的に保つことができる9),10)。しかし,専用採血管はEDTA採血管と比較して高額で,その用途はcfDNA抽出に限定されている。一方で,EDTA採血管は多施設で常備されており,実臨床でのcfDNA抽出に使用できれば,専用採血管よりも管理面やコスト面に優れていると言える。さらに分析前におけるサンプルの保存条件について,全血や血漿の研究論文は多く存在するものの10),11),我々が検索した限りcfDNAを検討した研究論文は少ない。今回,cfDNAを−80℃で保存した場合の保存期間が核酸品質に及ぼす影響を,専用採血管とEDTA採血管で比較検討した。

II  対象・方法

1. 対象

本検討の趣旨を十分に説明し,自由意思に基づいて同意を得た健常人10名(男性6名,女性4名)を対象とした。年齢の中央値は30歳(範囲23~43歳)であった。なお,本研究では採血による侵襲が生じる点およびがん患者においてcfDNA濃度が高値を示すことがある点を考慮し12),被検者の選定条件として,満20歳以上かつ悪性腫瘍の診断歴がないこととした。本研究は久留米大学医に関する倫理委員会にて承認された(研究番号23008)。

2. 機器・試薬

1) 採血

被検者1人につき,以下の3種類の採血管を使用し,それぞれ2本ずつ連続採血を行った。1)ベノジェクトII真空採血管EDTA-2Na(7 mL,テルモ),2)ベノジェクトII真空採血管EDTA-2K(5 mL,テルモ),3)セルフリーDNA抽出専用採血管(8.5 mL,ロシュ・ダイアグノスティックス)。採血後30分以内に冷却遠心(4℃,2,000 × g,10分)を行い,バッフィーコートより約1 cm残して,上層の血漿を分離した。血漿を別のチューブに分注し,再度同条件で冷却遠心を行い,同様に血漿を分離した。

2) cfDNAの抽出

血漿からのcfDNA抽出には,Promega社の核酸自動精製システムMaxwell® RSC Instrumentを使用し,専用試薬であるMaxwell® RSC miRNA Plasma and Serum Kitを用いた。Promega社より提供されたプロトコルに従い,同一サンプル中にcfDNAとcell-free RNA(以下,cfRNA)を両方含んだcell-free TNA(total nucleic acid)として抽出した。なお,cfRNAはcfDNAと同様に血液中に存在するRNAであり,以降の核酸収量,核酸品質の評価にはDNA特異的な試薬を使用した。

3) 核酸収量,核酸品質の評価

Promega社のQuantus Fluorometerを使用し,専用試薬であるQuantiFluor® ONE dsDNA Systemを用いてサンプル中の総DNA濃度を測定し,各採血管における血漿1 mLあたりの総DNA収量を核酸収量として算出した。次にサンプルをProtein LoBind® tube(エッペンドルフ)に4等分し,−80℃で保存した。保存したサンプルは7日以内(以下,抽出直後),1カ月,3カ月,6カ月後にそれぞれ融解し,電気泳動によるフラグメント解析を実施した。その際,サンプルの融解は氷上で行った。フラグメント解析にはアジレント社のAgilent 4150 TapeStation Systemを使用し,専用試薬であるCell-free DNA ScreenTape®を用いて,各サンプルのバンドパターンを描出し,フラグメントサイズ分布を確認した。その後,被検者ごとに採血管の種類および −80℃での保存期間別にバンドパターンを比較し,フラグメントサイズ分布の変化から核酸品質を評価した。さらに,各バンドパターンよりcfDNAが主に存在する50~700 bpの領域の割合およびDNA濃度をそれぞれ%cfDNAとcfDNA濃度として算出した。その後,統計解析によって採血管の種類および −80℃での保存期間が核酸品質に与える影響を評価した。

3. 統計学的分析

各採血管における核酸収量の比較は,Friedman検定を用いた。EDTA-2Na採血管,EDTA-2K採血管とセルフリーDNA抽出専用採血管の間における%cfDNAおよびcfDNA濃度の相関の評価は,Spearmanの順位相関係数を用いた。%cfDNAとcfDNA濃度に影響を与える要因の解析には,最小二乗法による重回帰分析を用いた。重回帰分析の説明変数は性別,採血管の種類,−80℃での保存期間の3項目とした。統計解析にはJMP Pro 17(SAS Institute)を使用し,p < 0.05の場合を統計学的に有意とした。

III  結果

1. 核酸収量の評価

各採血管における血漿1 mLあたりの総DNA収量(中央値)は,EDTA-2Na採血管で6.56 ng,EDTA-2K採血管で6.57 ng,セルフリーDNA抽出専用採血管で5.12 ngであり,有意差は認められなかった(Friedman検定p = 0.07)(Figure 1)。

Figure 1  各採血管における血漿1 mLあたりの総DNA収量

EDTA-2Na・EDTA-2K採血管とセルフリーDNA抽出専用採血管の血漿1 mLあたりの総DNA収量に有意差は認められなかった(Friedman検定p = 0.07)。

2. 核酸品質の評価

1) フラグメント解析によるバンドパターン

Figure 2に抽出直後における各採血管の典型的なバンドパターンを,Figure 3に各採血管における保存期間毎の典型的なバンドパターンを示す。電気泳動によって得られたバンドパターンはいずれのサンプルでも,約170 bpで顕著なピークが確認され,400 bp付近に小さいピークがみられた。Figure 2Figure 3では,ピークの高さ(sample intensity)に若干のずれがみられたものの,バンドパターンはおおよそ一致しており,採血管の種類や −80℃での保存期間によるフラグメントサイズ分布の明らかな変化は認めなかった。

Figure 2  抽出直後における各採血管のバンドパターンの比較

抽出直後における各採血管のバンドパターンを重ね合わせて比較した(EDTA2-Na採血管:青色,EDTA-2K採血管:黄色,セルフリーDNA抽出専用採血管:緑色)。ピークの高さ(sample intensity)に多少のずれを認めるものの,各バンドパターンはおおよそ一致しており,採血管の種類によってフラグメントサイズ分布に明らかな変化は認めなかった。

Figure 3  各採血管における保存期間毎のバンドパターンの比較

各採血管における保存期間毎のバンドパターンを重ね合わせて比較した(−80℃・抽出直後:青色,−80℃・1カ月保存:黄色,−80℃・3カ月保存:緑色,−80℃・6カ月保存:赤色)。ピークの高さ(sample intensity)に多少のずれを認めるものの,バンドパターンはおおよそ一致しており,保存期間によってフラグメントサイズ分布に明らかな変化は認めなかった。

2) EDTA-2Na採血管,EDTA-2K採血管とセルフリーDNA抽出専用採血管の相関

Table 1にバンドパターンより算出された%cfDNAとcfDNA濃度の結果を示す。Table 2にEDTA-2Na採血管,EDTA-2K採血管とセルフリーDNA抽出専用採血管の間における%cfDNAとcfDNA濃度の相関を示す。%cfDNAとcfDNA濃度について,各EDTA採血管とセルフリーDNA抽出専用採血管は正の相関が確認された。

Table 1 フラグメント解析から得られた%cfDNAおよびcfDNA濃度

採血管 保存期間 %cfDNA(%) cfDNA濃度(pg/μL)
中央値(25–75%) 中央値(25–75%)
EDTA-2Na採血管 −80℃,抽出直後 88.5(84.5–91.5) 40.07(29.31–68.98)
−80℃,1カ月 86.5(85.3–88.3) 44.93(35.07–77.19)
−80℃,3カ月 87.5(84.3–90.0) 48.29(37.84–79.54)
−80℃,6カ月 87.0(85.0–89.3) 46.83(33.06–80.85)
EDTA-2K採血管 −80℃,抽出直後 85.5(83.8–88.0) 41.53(35.44–71.17)
−80℃,1カ月 86.0(83.8–87.0) 42.61(37.69–79.54)
−80℃,3カ月 87.0(83.8–88.0) 46.76(42.25–75.61)
−80℃,6カ月 86.5(83.5–88.3) 40.02(34.05–85.69)
セルフリーDNA
抽出専用採血管
−80℃,抽出直後 86.5(83.0–90.0) 39.19(29.06–62.91)
−80℃,1カ月 86.0(82.8–88.3) 44.52(32.60–69.04)
−80℃,3カ月 87.0(84.0–89.3) 48.17(33.57–73.67)
−80℃,6カ月 87.0(84.8–89.3) 45.50(28.96–76.58)
Table 2 EDTA-2Na・EDTA-2K採血管とセルフリーDNA抽出専用採血管の相関

採血管 保存期間 %cfDNA cfDNA濃度
順位相関係数(ρ p 順位相関係数(ρ p
EDTA-2Na採血管
vs
セルフリーDNA抽出専用採血管
−80℃,抽出直後 0.66 0.04 0.99 < 0.01
−80℃,1カ月 0.83 < 0.01 0.98 < 0.01
−80℃,3カ月 0.72 0.02 0.95 < 0.01
−80℃,6カ月 0.81 < 0.01 0.96 < 0.01
EDTA-2K採血管
vs
セルフリーDNA抽出専用採血管
−80℃,抽出直後 0.75 0.01 0.93 < 0.01
−80℃,1カ月 0.61 0.06 0.92 < 0.01
−80℃,3カ月 0.79 < 0.01 0.84 < 0.01
−80℃,6カ月 0.70 0.03 0.93 < 0.01

3) 最小二乗法を用いた重回帰分析

最小二乗法を用いた重回帰分析の結果,%cfDNAとcfDNA濃度は共に性別の影響を強く受けていた。(Table 3)。

Table 3 %cfDNA・cfDNA濃度に影響を与える要因

説明変数 %cfDNA cfDNA濃度
偏回帰係数 標準誤差 p 95%信頼区間 偏回帰係数 標準誤差 p 95%信頼区間
下限 上限 下限 上限
性別
 男性 −0.88 0.30 < 0.01 −1.46 −0.29 15.85 1.92 < 0.01 12.05 19.66
 女性 0.88 0.30 < 0.01 0.29 1.46 −15.85 1.92 < 0.01 −19.66 −12.05
採血管の種類
 EDTA-2Na採血管 0.68 0.41 0.10 −0.13 1.50 1.00 2.66 0.71 −4.27 6.28
 EDTA-2K採血管 −0.62 0.41 0.14 −1.43 0.20 0.61 2.66 0.82 −4.66 5.88
 セルフリーDNA抽出専用採血管 −0.07 0.41 0.87 −0.88 0.75 −1.61 2.66 0.55 −6.89 3.66
保存期間
 −80℃,抽出直後 0.23 0.50 0.64 −0.76 1.23 −4.46 3.26 0.17 −10.92 2.00
 −80℃,1カ月 −0.50 0.50 0.32 −1.49 0.49 −0.41 3.26 0.90 −6.87 6.05
 −80℃,3カ月 −0.07 0.50 0.89 −1.06 0.93 3.26 3.26 0.32 −3.20 9.72
 −80℃,6カ月 0.33 0.50 0.51 −0.66 1.33 1.62 3.26 0.62 −4.84 8.08

IV  考察

各サンプルのバンドパターンはいずれも約170 bpにおいて顕著なピークを示し,その倍程度である約400 bp付近にも小さなピークがみられた。これは細胞のアポトーシス過程で生成されるモノヌクレオソームとその二量体由来のcfDNA断片であると考えられ2),この結果はcfDNA抽出プロセスが適切に機能していることを示している。抽出直後の%cfDNA(中央値)は,EDTA-2Na採血管で88.5%,EDTA-2K採血管で85.5%,セルフリーDNA抽出専用採血管で86.5%で,バンドパターンにおいて血液細胞由来DNAの混入を示唆する700 bp以上の明らかなピークを認めなかった。そのため,抽出したサンプルは高度に精製されていると考えられた。各採血管の血漿1 mLあたりの総DNA収量に有意差は認められず,採血管の種類は核酸収量へ影響しないことが示唆された。また,抽出直後における各採血管のバンドパターンはおおよそ一致し,cfDNAのフラグメントサイズ分布に変化を認めなかったことから,採血管の種類は核酸品質に影響しないことが明らかとなった。さらに,保存期間に応じたバンドパターンについても同様にcfDNAのフラグメントサイズ分布に変化を認めなかったことから,−80℃で6カ月保存しても核酸品質は変化しないことが示唆された。%cfDNA,cfDNA濃度については,各EDTA採血管と専用採血管(セルフリーDNA抽出専用採血管)の間で正の相関を認めており,採血後30分以内に血漿を分離する条件下ではEDTA採血管は専用採血管の代替として使用できることが示唆された。また%cfDNAとcfDNA濃度は性別,採血管の種類,−80℃での保存期間のうち,性別の影響を強く受けるという結果は,Alghofailiらの健常人のcfDNA収量に性差があるとの報告13)と矛盾せず,採血管の種類,−80℃での保存期間によって,cfDNAの核酸品質が変化しないことを支持するものであると考えられた。以上のことから,採血後30分以内に血漿を分離し,cfDNAを抽出後に −80℃保存する場合,EDTA-2Na採血管およびEDTA-2K採血管の適応は可能であり,保存6カ月目まで核酸品質が維持されていることが確認された。

Greytakら7)はcfDNAサンプルは −20℃,cfDNA抽出前の血漿サンプルは −80℃で保存することを推奨しているが,保存可能期間についての具体的な内容は示されていない。一方Chanら11)は血漿とcfDNAを −80℃で凍結融解を繰り返した場合の検討で,血漿では3回の凍結融解によりcfDNAの断片化が生じたのに対し,cfDNAでは断片化が生じなかったと報告している。これらの報告を踏まえると,今後のcfDNA分析では血漿サンプルではなくcfDNAサンプルとして保存する手順が重要視されると考えられる。本検討では,こうした分析前手順の標準化に寄与する有意義なデータを提供することができた。しかしながら,次世代シーケンサーによる変異アレル頻度やリード数,カバレッジといった実際のcfDNA分析における品質指標への影響は評価していない点が課題として残る。また,−80℃での保存可能期間やEDTA採血管の実臨床での適用性を検証するには,さらなる基礎データの蓄積が求められる。

V  結語

採血後30分以内に血漿を分離し,cfDNAを抽出する際には,EDTA-2Na採血管およびEDTA-2K採血管のいずれを使用しても,核酸収量および核酸品質に大きな影響を与えないことが示された。また,cfDNAを−80℃保存する場合,保存6カ月目までは核酸品質が維持されると考えられ,これらの条件は安定したcfDNA解析に寄与する可能性が示唆された。

COI開示

本論文に関連し,開示すべきCOI 状態にある企業等はありません。

謝辞

本研究を遂行するにあたり,多大なるご指導を賜りました久留米大学病院病理診断科・病理部の安倍秀幸様に心より感謝申し上げます。また,本研究は2022年度福岡県臨床衛生検査技師会学術奨励基金により支援を受けました。

文献
 
© 2025 一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
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