医学検査
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原著
マイクロサテライト不安定性検査におけるAIを用いた自動判定の有用性
南 智也宮下 尚也出口 陽菜加藤 ゆり東 恭加沖 理沙矢野 曜子村山 徹
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2026 年 75 巻 2 号 p. 243-251

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抄録

【背景】マイクロサテライト不安定性検査(MSI検査)は,マイクロサテライトの繰り返し回数の変化を調べる検査であり,フラグメント解析にて波形を解析する。解析処理は煩雑で労力を要し,目視判定のためヒューマンエラーが生じる可能性もある。そこで我々は機械学習モデルを作成し,MSI検査におけるAIによる自動判定の有用性について検討した。【方法】2020年6月~2022年12月の間に当院でMSI検査を実施した446例のうち,150例を学習用データ,296例を検証用データとして使用した。機械学習モデルにはLocal Outlier Factor(LOF)手法とAuto Encoder(AE)手法を採用し,学習データ数50例,100例,150例の場合のAIによる自動判定と目視判定の一致率をそれぞれ算出した。また,波形の蛍光値を一定値に補正後,同様の検討を行った。【結果】総合判定の一致率は,LOF手法の学習データ数50例で98.0%に対し,100例,150例ではともに99.3%と向上が見られた。AE手法では学習データ数50例で98.3%,100例で98.0%,150例で98.6%とほぼ横ばいであった。蛍光値補正後は,両手法で学習データ数150例の総合判定の一致率は100%であった。【結語】AIを用いた自動判定は目視判定と非常に高い一致率が得られ,MSI検査の結果判定において有用であることが示された。

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