医学検査
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技術論文
キャリブレータを使わない係数調整型校正法の有用性検討―内部精度管理データを用いた係数調整による精度保証―
久富 大樹
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2026 年 75 巻 3 号 p. 557-565

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抄録

内部精度管理では,不確かさ管理とトレーサビリティが要求されるが,キャリブレーション作業は業務負担が大きく,その効果も限定的である。本研究では,キャリブレータを再測定せず,キャリブレーションの不確かさ(calibration uncertainty; CU)の範囲内で内部精度管理の目標値に合わせて係数を調整する手法の有用性を検討した。なお,キャリブレーションの不確かさとは,キャリブレーション操作に伴う測定値のばらつきや誤差の範囲を定量化した指標である。シミュレーションデータおよび実測データの解析により,CUは標本内CV(sample CV; sCV)と強い線形関係を示し,濃度や測定回数の影響は非有意であった。ただし,測定回数がsCVに与える影響は大きく,過小および過大評価を避けるため運用面でも実施しやすい3回測定(N = 3)を推奨した。回帰分析では,CUはsCVの約70%を示し,自由度2(N = 3)の包含係数4.3を適用した場合,拡張不確かさ(expanded uncertainty; U)による調整範囲は再現性の約2–3σに相当し,日常的なシフトやトレンドに対応可能であった。さらに,目標値のバイアスは軽微であり,目標値を基準とした係数調整の妥当性が確認された。係数調整型校正法は,ISO定義に基づくトレーサビリティを維持しつつ,精度保証と業務効率化の両立に寄与する可能性がある。

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© 2026 一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
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