2026 年 75 巻 4 号 p. 721-728
尿沈渣検査においてヘモジデリン顆粒を検出することは発作性夜間血色素尿症などの血管内溶血を示唆する有用な所見となるが,自動分析装置を用いた報告は現状では認めない。全自動尿中有形成分分析装置UF-5000(以下,UF-5000)においてヘモジデリン顆粒陽性検体に特徴的な検出パターンを認めたことから,その出現を推測するパラメータの確立を目的とした検討を行った。検討内容はヘモジデリン顆粒陽性群と陰性群についてRBCヒストグラムおよびBACTスキャッタグラムにおける検出パターンの評価,2群間におけるDEBRISの比較およびreceiver operating characteristic(ROC曲線)によるカットオフ値の算出を行った。結果,ヘモジデリン顆粒陽性群の多くにRBCヒストグラムの小型領域に高く鋭いピーク,BACTスキャッタグラムのY軸に対して真っすぐのびたドットの集団を認め,この特徴的な検出パターンを呈した検体ではDEBRISが有意に高い傾向を示した。DEBRISのカットオフ値を2,471.8/μLとした場合,感度66.7%,特異度91.4%,陽性的中率89.7%,陰性的中率71.1%を得た。本検討によってUF-5000のパラメータであるRBCヒストグラム,BACTスキャッタグラム,DEBRISに着目することはヘモジデリン顆粒出現を推測できる有用な情報となることが示唆された。