医学検査
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第1章 医療情報の特性
大井 悠成
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ジャーナル フリー 早期公開

論文ID: 24J2-9

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抄録

医療情報は簡潔に言えば,医療に関する情報のことであり,診療過程で個人から発生する診療情報から医療関連施設・地域・国レベルで必要とされる医療情報,伝達価値が高い診断・医療に関する知識情報まで医療情報に含まれる。医療情報には大きく分けて4つの特性,①マルチメディア性,②内容の多層性,③内容の連続性・時系列データ,④高い機微性がある。①診療の過程で検査機器などから発生する情報は表現形態が多種類であり,コード情報や数値情報,画像情報など表現形態は様々である。②医療情報は内容も多彩であり,定性的な結果表現をするものもあれば,定量的に結果表現するものもある。検査結果や患者の主訴や生活背景など,多層的で様々な情報がデータベース上に展開されている。③医療情報は患者が診察を受けて,検査をして,治療を受けるといった一連の診療過程の連続的な繰り返しのなかで発生している。時間の経過に従って発生している医療情報は時系列データとして扱う必要がある。④医療情報は個人情報の塊であり,プライバシーの保護と守秘性の確保が求められるため,医療情報を取り扱うすべての関係者は高い倫理性が必要である。

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