2013 年 17 巻 2 号 p. 136-145
A県立病院合同看護管理研修の効果を明らかにするため,研修前中後に受講者(基礎編33名,応用編28名のスタッフ看護師)を対象に自作の調査票による質問紙調査を実施した.調査項目は,「看護管理への関心度」「自己効力感」「キャリア(管理者・スペシャリスト)志向」で,10cmVASによって測定した.また,それぞれの回答理由と「看護管理に対する認識」は自由記述で回答を求めた.分析方法は,量的データの前中後比較は一元配置分散分析を用い,質的データは記述の内容から意味あるセンテンスを抽出し,内容の類似性を比較検討することでカテゴリー化した.
その結果,基礎編では,「看護管理への関心度」で研修中・後の間(p < .05)に,「自己効力感」では研修前・中の間(p < .05)と研修前・後の間(p < .01)に有意差がみられ,それぞれ研修後の方が平均値は高かった.研修前は,6割の人が看護管理は管理者が行うものと認識していたが,研修を通して全体の7割の人が,看護管理はスタッフ全員がそれぞれの立場で行うものであると認識するようになった.また,【今の自分の能力を考えると自信がない】との思いが8割を占めていたが,講義やグループワークでの気づきや実務研修での成功体験を通して【自分にもできることがある】という思いに至った.応用編では有意差はみとめられなかった.
本研究によって,単なる講義にとどまらず実務研修へつなげた研修の構造の効果を確認できた.また,受講者の看護管理に関するレディネスの把握をした上で研修テーマを決定する重要性,看護管理を自分たちの問題として捉えられるような工夫の必要性,受講生の支援体制強化の必要性が示唆された.