日本看護管理学会誌
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原著
生命の危機状態にある患者の家族と看護師を支援する看護師長の役割尺度の検討
小松 由美子赤松 公子
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2022 年 26 巻 1 号 p. 129-139

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抄録

目的:本研究の目的は看護師への支援を含めた患者の家族を支援する看護師長の役割行動を測定する尺度を開発し,信頼性,妥当性を検証することである.

方法:先行研究や臨床経験をもとに尺度原案を作成した.質問項目の内容的妥当性を得るためにエキスパートによる項目の検討を行った.急性期一般病棟に勤務する看護師長568名を対象に,81項目の5件法による無記名自記式質問紙調査を郵送法にて実施した.分析は,項目分析,探索的因子分析,Cronbach’sα係数,外的基準との相関分析であった.

結果:有効回答率は230名(40.4%)であった.最尤法,プロマックス回転による探索的因子分析の結果4因子44項目が抽出され,「危機状態にある家族を支援する看護師への承認と保証」「危機状態の家族の安寧とニーズを読み解くための環境調整と意図的な接近」「家族の時間・空間を確保する場づくりと気遣い」「危機状態の家族と医療チームとの橋渡し」と命名された.各因子のCronbach’sα係数は.884~.921であった.外的基準との相関係数は,.398~.662.であり.01水準で有意な関連が認められた.

結論:開発した尺度の信頼性と妥当性は概ね確保できた.

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© 2022 一般社団法人 日本看護管理学会
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