日本看護管理学会誌
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原著
看護組織のSense of Coherenceスケール信頼性と妥当性の検証
竹内 朋子戸ケ里 泰典山西 文子
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2022 年 26 巻 1 号 p. 86-93

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抄録

看護組織のストレス対処力であるSense of Coherence(SOC)の測定スケールを作成し,信頼性と妥当性を検証することを目的とした.首都圏の約300~900床規模の8病院に勤務する看護師3316名を対象に自己記入式質問紙調査を実施し,基本属性(年齢,性別,看護師経験年数等),看護組織のSOC,基準変数として仕事満足度とWork-SOCをたずねた.協力の同意が得られた看護師2054名から調査票が返送され(回収率61.9%),1933名分の有効回答を分析対象とした(有効回答率58.3%).回答者の平均年齢は33.0±9.7歳,女性が89.9%,看護師経験平均年数は9.9±9.0年,部署経験平均年数は3.6±3.2年であった.16項目版スケールのI-T相関は全て.50以上であり,スケール全体のCronbach’s α係数は.912であった.また,共分散構造分析の結果,修正指数にもとづいて誤差共分散を修正した16項目モデルのCFIは.915,RSMEAは.077であった.さらに,16項目版スケールと仕事満足度(r=.451,p<.001),16項目版スケールとWork-SOC(r=.638,p<.001)とには,それぞれ有意な正の相関がみられた.これらの結果から,看護組織のSOCスケール(誤差共分散修正16項目モデル)の信頼性,併存妥当性,収束妥当性が確認された.

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© 2022 一般社団法人 日本看護管理学会
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