2022 年 26 巻 1 号 p. 150-158
目的:本研究は,地域包括ケアシステムに貢献できる看護職に必要なコンピテンシーを明らかにすることを目的とした.
方法:特別養護老人ホーム,病院の退院支援部署,訪問看護ステーションで,看護職経験が10年以上の10名を対象に半構造化面接を実施し,質的帰納的に分析を行った(倫理委員会許可番号:A180800014).
結果:地域包括ケアシステムにおける看護職に必要なコンピテンシーについて,30のカテゴリが抽出された.得られたコンピテンシーをまとめた結果,『多職種連携』『日常生活や健康管理の視点をもった看護提供』『地域包括ケアにおける看護職としての役割自覚』『看取りの対応』『介護職との関わり』『看護職同士の連携』『コミュニケーション』『アセスメント』『リーダーシップ』『認知症ケア』『ケアマネジメントと移行支援』『合意形成の実施』『人材育成』の13項目に分類された.今後は対象者を拡大して一般化を図るとともに,地域包括ケアシステムに貢献できる看護職の教育プログラムを作成する必要があると考える.