日本看護管理学会誌
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原著
新人看護師の夜勤独り立ち時期と夜勤独り立ちにおける看護実践能力および新人指導体制との関連
宮坂 佐和子金子 さゆり
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2022 年 26 巻 1 号 p. 201-211

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抄録

本研究は,夜勤指導の判断基準への活用および効果的な指導体制を整備するために,新人看護師の夜勤独り立ち時期を明らかにし,夜勤独り立ち時期における看護実践能力,新人指導体制との関連を明らかにすることを目的とする.20病院に勤務する新人看護師614名と所属病棟の看護師長198名を対象に無記名自記式質問紙調査を行った.調査内容は,夜勤独り立ちの時期,新人看護師の個人属性と看護実践能力,病棟のストラクチャー指標とプロセス指標からなる.分析は夜勤独り立ち時期を日数換算し,中央値をもって早期群と晩期群に区分した.個人属性,夜勤独り立ち時期における看護実践能力,病棟のストラクチャー指標とプロセス指標について,夜勤独り立ち時期の早期群と晩期群の2群間でMann-WhitneyのU検定,χ2検定を行った.結果,急性期病院の新人看護師の夜勤独り立ち時期は,6月から見られ始め多くが9~10月であり,夜勤業務に必要な看護実践能力を獲得したうえで,夜勤独り立ちの判断がなされていた.夜勤独り立ちに必要な看護実践能力としては,6つのコンピテンス(基本的責務,倫理的実践,リスクマネジメント,クリニカルジャッジメント,看護の計画的展開,援助的人間関係)の実施頻度が「たいてい行っている」状態に到達している必要性が示唆された.

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© 2022 一般社団法人 日本看護管理学会
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