日本看護管理学会誌
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原著
看護師長による就業継続の支援に関する研究
―中堅看護師が看護実践の意味を見出せるように支援するプロセス―
太江田 晶子水戸 美津子榎本 麻里
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ジャーナル オープンアクセス

2023 年 27 巻 1 号 p. 161-170

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抄録

看護の実践現場が急激に変化しているなかで,看護の質の維持・向上のために,看護管理者にはより高度な管理能力が求められている.特に,優秀な中堅看護師の人材の確保及び育成は看護管理者の重要な役割である.そこで本研究では,看護師長が中堅看護師に対して,就業継続の支援をどのように実践しているのか,その具体的な態度や方法や考えなどに焦点をあて,その支援のプロセスを明らかにすることを目的とした.研究方法は半構造化面接法による質的帰納的研究法である.研究対象は看護部長から推薦を受けた看護師長11名とした.分析にはM-GTAを用いた.面接内容は,中堅看護師に対して実践している具体的な就業継続の支援で工夫していることや,印象に残っている出来事等とした.面接内容は録音し,逐語録にしたうえで分析した.分析の結果,17概念,7サブカテゴリー,4カテゴリーが生成された.その結果,看護師長による中堅看護師の就業継続の支援は【支援者として身近にいる】【立ち停まる機会をつくる】という直接的な支援と,【「場」をつくる】という間接的な支援を上手く組み合わせながら,看護師長自らが看護管理において【ぶれない姿勢を示す】ことを常にしながら,中堅看護師が看護実践の意味を見出せるように支援するプロセスになっていることを明らかにした.

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© 2023 一般社団法人 日本看護管理学会
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