日本看護管理学会誌
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原著
特定行為研修を修了した看護師の導入・配置に関わる要因:全国300床以上の病院の看護管理者を対象とした横断的研究
山本 武志佐伯 昌俊西宮 岳小松 亮山本 則子酒井 郁子
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2023 年 27 巻 1 号 p. 61-70

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抄録

2015年10月に創設された「特定行為に係る看護師の研修制度」は,医師・歯科医師が作成した手順書に基づき,看護師が高度かつ専門的な知識及び技能を必要とする特定行為を実践するための研修制度である.2022年3月時点での研修修了者数は4,832人で,厚生労働者が掲げる目標値への到達には及ばない現状がある.本研究は,全国の病院において特定行為研修の修了者が導入・配置されることに関連する施設側の要因を明らかにすることが目的である.全国300床以上の全病院の看護管理者(看護部長)を対象にオンライン調査を行った.1,436病院中412名の対象者から回答が得られた(回収率28.7%).研修修了者が導入・配置されている病院は252(61.4%)病院であった.二項ロジスティック回帰分析の結果,各病院に研修修了者または研修中の看護師が導入・配置されていることに関連する要因は,施設特性として病床規模が大きい,特定行為研修の指定研修機関であることが挙げられた.看護管理者の特性としては,認定看護管理者資格を有している,特定行為研修に対する期待・認識として協働の推進を期待している,診療・ケアに良い影響を与えうる制度と認識していることが挙げられた.

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© 2023 一般社団法人 日本看護管理学会
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