日本看護管理学会誌
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原著
看護師が看護補助者に患者の直接ケアを委譲する際の思考と判断
荒木 亜紀, 曽田 陽子, 佐藤 美紀
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2025 年 29 巻 1 号 p. 161-170

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抄録

【目的】本研究は,看護師が看護補助者に患者の直接ケアを委譲する際の思考と判断の実態を明らかにし,安全で効果的な委譲に必要な看護師の能力を検討することを目的とした.

【方法】A県内の200床以上の急性期病院に勤務する経験年数4~11年目の看護師16名を対象に半構造化面接を行い,質的記述的研究にて分析した.

【結果】看護師は主に車椅子移乗・移送,食事介助,清拭,シャワー,洗髪を補助者に委譲していた.委譲時には,患者の異変発生の可能性,専門的対応の要否,既存のルール,他者の見解等を踏まえてアセスメントし,委譲可能と判断しても,補助者の能力や患者・補助者への不利益,人的資源の状況等を総合的に判断して委譲を実践していた.また,委譲後も援助の前・中・後を通じて患者と補助者の安全確保を意識した支援を行っていた.これらの過程において看護師には,委譲が患者へ与える影響を予測する能力,専門的対応の要否を見極める能力,補助者を支援する能力,委譲の可否と補助者支援の程度を評価・調整する能力,補助者を気遣い対応する能力が必要であることが明らかになった.

【結論】安全で効果的な委譲による看護師と補助者の協働の円滑な推進のためには,補助者の実践能力を可視化する等の組織的な評価・支援体制の整備や,委譲能力の育成を看護基礎教育から計画的に行う必要性が示唆された.

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