日本看護管理学会誌
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原著
看護師配置が急性期病院の財務状況に与える影響
井上 貴裕
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2025 年 29 巻 1 号 p. 58-63

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抄録

【目的】本研究では,急性期病院の収益性に看護師配置が与える影響について部門別の配置状況を考慮した実証研究を行う.

【方法】2017年の病床機能報告データ及び国立病院機構,労働者健康安全機構,地域医療機能推進機構の急性期病院の財務諸表を用いた.看護師配置が医業利益率に及ぼす影響について検証するために,医業利益率を被説明変数とした重回帰分析を行った.看護師配置については,病棟,外来,手術室,その他の部門別で抽出した.

【結果】重回帰分析の結果,医業利益率と100床当たり病棟看護師数,競争状況(HHI),平均在院日数,ケアミックスダミーは有意に負の相関をしていたが,医業利益率,病床稼働率,100床当たりその他看護師数,7対1ダミーは有意に正の相関をしていた.

【考察】医業利益率と100床当たり病棟看護師数,平均在院日数には負の相関がみられるが,病床稼働率には正の相関が観察される結果から示唆されることは,得られる医業収益に対して7対1などの必要最低数の看護師を配置することが利益率の向上につながることである.ただし,現実的には高い病床稼働率を維持するためには,多くの看護師が必要である.

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