本研究の目的は,在宅ケア機関別に顧客のサービス利用,費用,ケア実施,アウトカムの特徴を明らかにすることである.
対象は在宅サービス7 機関の顧客257人とした.アウトカム調査はIADL,ADL,意欲の項目とし,2か月間の変化を評価した.そのほかに2か月間利用したサービスの種類と回数,使用した費用,実施された自立促進のケア内容を調査した.
結果は,訪問介護ステーションの顧客は自立度が高く,配偶者が主介護者であり,一方独居者も多く,訪問介護を主に利用していた.訪問看護ステーションの顧客は自立度が低く,同居者をもち,訪問看護のほか,訪問入浴,訪問リハビリテーションを利用する傾向にあった.通所リハビリテーション機関の顧客はランクJ・Bで,嫁が主介護者で,通所リハのほか,通所介護,短期入所を有意に利用していた.車椅子乗車,ADLの改善は訪問看護の顧客に高くみられ,意欲の改善は通所リハの顧客が有意に高い傾向にあった.訪問介護の顧客は維持の傾向にあった.ADLを改善するには機能訓練や排泄ケア,転倒予防,外部との交流等の幅広いケアを実施することが効果的といえる.また,意欲改善には通所系サービスにおけるレクリエーション,機能訓練,精神的支援が必要である.顧客はこれらのサービスと自立促進のケアに対して費用を使用することが有効といえる.