日本看護管理学会誌
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論壇
急性期病院における効果的なプリセプターシップの運用に関する一考察
小林 三津子大谷 則子
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2004 年 7 巻 2 号 p. 41-48

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抄録

本論文の目的は,医療を取り巻く急激な環境の変化を背景に,在院日数の短縮化が促進されつつある急性期病院に焦点を当て,新人教育の方策として広く普及しているプリセプターシップが,実際には有効に機能していない現状を浮き彫りにし,効果的なプリセプターシップの運用について提言を行うことにある.

まず,新卒者にみられる特徴と,教育背景としての専門基礎教育,とりわけ臨地実習の現状が,医療技術が高度化・複雑化し,症状の変化が激しく,重症化している患者を対象とする急性期病院の現実の姿とのギャップにより,新卒者であれば誰でもリアリティショックを起こす可能性があることを述べた.次に,現行プリセプターシップのシステム上の問題点として,①導入の前提条件が保証されていない,②実際の直接指導は,主にプリセプター代行者によって行われている,③プリセプターの過剰な負担感や低い達成感,孤立感,④プリセプターと看護管理者間での認識の違い,などについて述べた.

これらを踏まえて,現状に即した効果的なプリセプターシップを運用するための方策として,①理由の明確化と目的の単純化,②目的に合致したプリセプターの選択,③権限委譲の促進,④サブシステムとしてのサポートシステムの確立,⑤新卒者中心のフィードバックの実施,⑥プリセプターシップの目的・運用に関する知識の共有化,という6点について提言した.

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© 2004 一般社団法人 日本看護管理学会
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