2000 年 3 巻 2 号 p. 255-257
腹部大動脈瘤切除・人工血管置換術施行6年半後に,縫合部に仮性大動脈瘤が発生し十二指腸へ穿破した1例を経験した。突然の吐血で発症しショック状態で搬送され,造影CT検査により持続性出血を認めた。自験例は救命できなかった。本症は臨床症状や既往歴から早期に本疾患を疑い診断後,急速にバイタルサインを安定させて緊急手術を行う必要がある。今後,心臓血管外科学の進歩とともに腹部大動脈瘤切除・人工血管置換術を受けた患者の増加が見込まれる。救急医療現場で大量消化管出血患者を診察する際に注意すべき疾患と考え報告した。