2008 年 17 巻 3 号 p. 15-23
この質的研究では、看護学臨地実習のあるVTR場面を提示し教材化としての対応やそれらを方向づける基盤を問うことで、臨床実習指導者と教員の教材化を比較分析した。その結果、教材化としての現象のとらえ方として【学生の態度】【学生の技術】など6カテゴリー、その場における対応として5カテゴリーが抽出され、両者とも学生を主体とした指導を重視していた。またそれらを方向づける基盤としては、伝えたい看護として【患者-看護師関係】【対象理解】などの7カテゴリー、普段の実習でのねがいとして【対象理解に基づいた人間関係能力】【自己の看護観の育成】【問題解決能力の習得】などの8カテゴリーが抽出された。臨床実習指導者は患者-看護師関係を、教員は問題解決思考を含めた看護実践や気づきからの成長への働きかけを重視していることが明らかとなり、両者の視点の相違を活かした協働的な指導体制を整えることが有効であることが示唆された。