本研究の目的は、老年看護学実習のなかの学内実習で高齢者アクターを導入することによる学生の学習効果を明らかにすることである。対象は2006年1月から4月まで本学で老年看護学実習を行った看護学専攻3、4年生の学生30人とした。また、実習期間中、最初の2日間の学内実習で高齢者アクターに技術を行う群(アクター群)、学生に行う群(学生群)に分けた。学習効果は学生に質問紙による調査を行い、学内実習前後、臨地実習後の学習効果の程度をビジュアルアナログスケールで測定した。その結果、アクター群のほうが学生群に比べて以下の面で高い学習効果がみられた。学内実習後では1.高齢者のイメージがつかめた、2.自分の技術に自信をもった、3.技術を実践することに興味がわいた、であった。臨地実習では、5.技術を何回も体験できた、6.技術をうまく実践できた、7.職員や教員とうまく連携できた、であった。また、「最終的に自分の技術に自信をもった」の項目と相関がみられた項目は、「臨地実習で技術を実践することに興味がわいた」、「臨地実習において最終的に高齢者との関係が深まり、受け入れられた」等の臨地実習に関する項目が多かった。学内実習で高齢者アクターを導入することで学生の学習効果は高まるが、臨地実習での工夫も重要といえる。