2008 年 18 巻 2 号 p. 11-21
本研究は、看護学実習における患者−学生間の相互関係を、ロールレタリング(以下RL)により自己の看護実践(行為)を振り返り記述する。その内容をBulman(1994:Gibbs(1988)のmodelを採用)のReflective cycle modelと、ケアリングの中範囲理論の5つのプロセスを用いて、質的に検討を試みた。行動変容過程の質的検討から、ケアリングの一体験的学習方略として、有効性を明らかにすることを目的とする。
質的検討の結果、RLは患者を理解し、自己の看護実践(行為)を内省、自己洞察へと深化させるのに有効であった。それらはReflective cycle modelの記述、分析、評価と一致し、RLの記述内容は妥当性が確認されているケアリングの中範囲理論の5つのプロセスすべてに該当した。ケアリング概念に基づいた実践行動への変容結果から、RLの活用は、ケアリングの実践に有効な一体験的学習方略であることが示唆された。