2021 年 30 巻 3 号 p. 39-51
要旨:
〔目的〕看護短期大学生のストレスとストレス・コーピングについて、1年生と3年生の相違を検討した。
〔方法〕A短期大学看護学科の1年生と3年生163名に、大学生用日常生活ストレッサー尺度とGCQ 特性版を用いて無記名自記式質問紙法を実施した。
〔結果〕1年生のストレス尺度の平均値が最も高かったのは、【大学・学業】、3年生では【実存的】であった。1年生のストレス尺度の【対人】と【大学・学業】は、ともにコーピング尺度の【感情表出】と【情緒的サポート希求】の間に有意な正の相関があった。3年生のストレス尺度の【対人】についても1年生と同様の結果であったが、【認知的再解釈】との間には有意な負の相関があった。
〔考察〕1年生は、【対人】と【大学・学業】のストレスに主観的で情緒的な対処を行い、3年生も【対人】ストレスに主観的で情緒的な対処を行っていたが、対人関係における自己の客観視の困難性も示された。