2024 年 33 巻 3-2 号 p. 111-122
〔目的〕新人看護教員のレジリエンスの個人特性および環境特性要因による関連と、レジリエンスの実態、レジリエンスが職場適応へ及ぼす影響について明らかにする。
〔方法〕全国の看護系大学263校の勤務年数3年未満の常勤の教員を対象に、個別回収法による無記名自記式質問調査を実施した。
〔結果〕回収数は352名からなり、有効回答数306名を分析対象とした(有効回答率86.9%)。レジリエンス総得点は職位や相談できる上司の存在などに有意な差があった。職場適応を従属変数とした重回帰分析の結果、レジリエンスの下位尺度の【感情調整】(β=.320, p=.000)や【肯定的な未来志向】(β=.304, p=.000)が有意な影響を示した(R2.361)。
〔考察〕新人看護教員が職場適応していくためには、自己の感情を調整し、将来に希望を持つ肯定的な未来志向の重要性が示された。