〔目的〕看護師における情動知能と倫理的行動との関係を明らかにすることである。
〔方法〕看護師2,000名を対象に質問紙調査を実施し、統計解析は基本統計量の算出および相関分析、重回帰分析を行った。
〔結果〕331件を分析対象とした。情動知能尺度得点は4.59±0.65、倫理的行動尺度得点は4.43±0.49であった。重回帰分析の結果、情動知能の4つの下位因子による調整済み決定係数は【リスク回避】が.124、【善いケア】が.238、【公正なケア】が.087であった。【リスク回避】に対しては【自己の情動評価】(β=.151, p=.012)、【善いケア】に対しては【他者の情動評価】(β=.221, p<.001)で標準偏回帰係数が最大であった。
〔考察〕情動知能の倫理的行動への影響度には下位因子ごとに差がみられ、【他者の情動評価】と【情動の利用】を高めることで倫理的行動につながることが示唆された。
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