北ヨーロッパ研究
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論文
デンマーク社会主義人民党
ニュー・ポリティクス政党論の視点から
三浦 一浩
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ジャーナル オープンアクセス

2008 年 4 巻 p. 67-79

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抄録

いわゆる「緑の党」が出現して以降、エコロジー的、個人主義的、平等主義的なイデオロギー、参加的な組織構造、 若者や高学歴者を中心とした支持基盤を持つ政党が「ニュー・ポリティクス政党」として論じられてきた。デンマーク社会主義人民党は1959年にデンマーク共産党が分裂して結成された政党であるが、70年代以降、 新しい社会運動と結びつく中で、ニュー・ポリティクス政党としての側面を強めていった。現在でも左派的、平等主義的志向と共にエコロジーや官僚主義批判などリバタリアン的な主張を併せ持っている。また、その党組織構造は概して開かれたものであり、支持者の間に女性や若者、高学歴者が多いなどニュー・ポリティクス政党の特徴を良く備えた政党である。 社会主義人民党の存在は、 近年の「緑の党」に偏しがちなニュー・ポリティクス政党研究に一石を投じるものであり、より幅広い枠組みの (再) 提示が必要であると言えよう。

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