Medical Imaging Technology
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特集/臨床画像工学研究の未来を担う診療放射線技師
Zスコアマッピングによる単純CT画像における急性期脳梗塞低吸収域の描出
高橋 規之李 鎔範蔡 篤儀木下 俊文石井 清
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2011 年 29 巻 1 号 p. 17-22

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抄録
本論文では,単純CT画像における急性期脳梗塞の脳実質低吸収域の描出を目的としたZスコアマッピング法を紹介する.本手法は,ボクセル統計解析に基づき,入力画像の脳形態の標準化を行い,正常脳データベースを用いてボクセルごとにZスコア値を求め,低吸収域を視覚化する.急性期脳梗塞の患者21人に本手法を適用し,Zスコアを入力値として低吸収領域と正常領域のROC曲線を求めた結果,AUC値は0.834となり,本手法が低吸収域を視覚化できることが示された.さらに,神経放射線診断医による観察者実験を行った結果,画像診断時にZスコアマップを参考にすることによって低吸収域検出に関するAUC値が0.883から0.925に向上した.したがって,単純CT画像における急性期脳梗塞の低吸収領域の検出に関して,本手法が放射線科医の読影診断能力の向上に寄与できることが明確に示された.
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© 2011 日本医用画像工学会
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