北ヨーロッパ研究
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論文
スウェーデン企業の所有構造と「コーポレート・ガバナンス」
岸田 未来
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ジャーナル オープンアクセス

2010 年 6 巻 p. 23-35

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抄録
スウェーデン大企業の多くは, スフェアと呼ばれる, 銀行や投資会社を核とする企業の集団に属しており, その大株主は取締役派遣等を通じて企業経営に影響を及ぼしてきた。しかし1980年代以降の金融市場自由化は, この企業統治体制に変容を迫るものであった。本稿は, ストックホルム株式市場における株式所有構造の変化をふまえて, ヴァレンベリ・スフェアに属するアセア/ABB 社の企業統治体制の変化を分析した。 株式市場における外国人投資家の急増は, スフェアの安定していた株式所有構造を外部から揺るがす主要因であり, スフェア企業内でも, 激化する国際競争に生き残るため, 英米型の経営手法を取り入れざるを得なくなっている。これに応じて, 社会的に企業のコーポレート・ ガバナンスを監視する制度も整えられてきた。 スウェーデン企業における英米流経営スタイルの浸透は, 伝統的なスウェーデンの労使協調体制にも影響を及ぼすことが予測される。
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2010 『北ヨーロッパ研究』に掲載された著作物の著作権は,著者に帰属するものとします.
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