2015 年 3 巻 2 号 p. 44-54
本研究の目的は、在宅看護学実習の実習施設である訪問看護ステーションが在宅看護学実習をどのように捉えているかを明らかにし、在宅看護学実習の在り方を検討することであった。研究デザインは質的記述的研究であり、在宅看護学実習の受け入れ実績がある訪問看護ステーションの管理者5人を対象に、半構造的インタビューを行った。
現在行われている在宅看護学実習について、【実習目標は共通であるが、実習内容、教員の関わり方が異なる】【限られた訪問回数で学生が看護過程を展開するには限界がある】と感じていた。実習での関わりが将来の訪問看護人材確保につながることを期待し、【地域で生活している人々を対象としている】【在宅看護を担う看護師の役割】を学生に学んで欲しいと考えており、そうすることは同時に【看護の本質に触れる】ことであると考えていた。今後の課題として、近年の社会ニーズに対応するためには【専門基礎科目を学ぶ段階での在宅での実習の導入】【地域包括ケアを基盤とした臨地実習への転換】【訪問看護師養成を視野にいれた在宅看護学実習の設定】が必要であり、そのためには、【実習施設側と教員との連携の強化】を図り、在宅看護の【実践能力を高めるための時間数を増やす】必要性があると考えていた。本研究結果から、看護基礎教育における臨地実習および在宅看護学教育の在り方を看護界全体で検討することの必要性が示唆された。