目的:在宅において療養者の死が早晩予測される場合、臨終をめぐる死亡確認・死亡診断に係る我が国の現状について国内文献を用いて整理し課題を明らかにする。
方法:1999年4月から2018年2月までに発表された国内文献について医学中央雑誌を用いて検索し,得られた10文献を対象とした。文献中の記述から,死亡確認・死亡診断の現状について、類似性と相違性に着目しながら分類し、カテゴリ、サブカテゴリを質的帰納的に生成した。
結果:臨終において≪本人の尊厳や安寧な看取りが損なわれている≫こと、訪問看護師の≪訪問業務に支障が生じている≫こと、療養者の死後も≪予想に反した看取りを反芻している≫ことが明らかになった。≪医師による速やかな死亡診断が困難≫であることや、≪医師法の解釈が不明確≫なために死亡確認や死亡診断を巡る判断や実践に差異が生じていることが背景となっていた。一方で、≪事前準備により円滑に死亡確認が実施できている≫状況があることや≪職種や準備状況よって困難さが異なる≫こと、≪緩和ケアに関する看護師の力量に差がある≫があることが示された。
結論:療養者・家族が安寧で尊厳の守られた臨終となるよう、医師法第20条の解釈の明確化、死亡診断までのプロセスの明確化や実施条件の探求、臨終における医師との円滑な連携のための方策、死亡確認に関する看護師の裁量権に対する社会的合意形成のための方策等について検討していく必要性が示唆された。