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Print ISSN : 1346-4116
研究論文
東京丸の内の歴史的変遷過程における従業者と地域への認識の変容
水澤 良子
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2010 年 10 巻 1 号 p. 49-66

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抄録
本稿の目的は,千代田区の三つの特徴ある地域(麹町地区・神田地区・「丸の内」)の中ではもっとも住民との地域協働の可能性の高いことが示唆された(水澤2005)「丸の内」を改めて調査地として,昨今の再開発によって賑わいや多様性を増してきているという変化の中で,「丸の内」の「昼間区民」,すなわち従業者とその「地域への認識」にはどのような変化が生じているのかを明らかにすることである.まず,昨今の「丸の内」の変容は,ビジネスに特化していた「丸の内」の新たなまちづくりへの「模索期」として,歴史的変遷上の位置付けを行なった.次に,この「模索期」にあって,従業者にはどのような変化があるのかをアンケート調査とインタビュー調査の結果から検証し,次の四つのことを明らかにした.(1)属性の多様化(2)ライフスタイルの多様化(3)「地域への認識」の4類型(「地域協働・自立」型,「CSR」型,「仕事中心」型,「私生活優先」型)(4)「地域協働・自立」型への変容過程
そしてこれらは,従業者のこれまでのビジネスに特化した認識,生活のありようから,多様な属性,ライフスタイル,「地域への認識」の選択を可能としてきたことを示している.
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© Japan NPO Research Association 2010
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