日本看護科学会誌
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研究報告
喉頭摘出者のセルフヘルプ・グループから得ている支援内容とストレス対処パターンとの関連
寺﨑 明美間瀬 由記辻 慶子
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2006 年 26 巻 4 号 p. 4_37-4_45

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抄録

喉頭摘出者のセルフヘルプ・グループ(SHG)参加で得ている支援内容とストレス対処パターンとの関連を検討することを目的とした.銀鈴会会員710名を対象とし,自記式質問紙を用いた郵送調査によって有効回答が得られた216名(回収率30.4%)を分析対象とした.SHGからの支援内容は【積極性の獲得】【具体的能力獲得】【情緒的支援】であった.食道発声が上達するにつれて支援内容の得点も上昇し,支援の感じ方は食道発声の獲得というSHGへの参加目的の到達状況に影響を受けていた.喉頭摘出者のストレスの対処として【対人情緒的対処】【問題解決対処】が確認された.【対人情緒的対処】【問題解決対処】をともに多く使用する者ほど支援を得ていると感じる程度も強かった.また【対人情緒的対処】を多く求める者は,食道発声が上達するにつれて【情緒的支援】への満足感が増していた.ストレス対処パターンが〈情緒低・問題高〉群は,代用音声獲得の期待が高いと考えられ,「初心」クラスでは支援を受けていると認識しにくかった.

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© 2006 公益社団法人 日本看護科学学会
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