日本看護科学会誌
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研究報告
重症心身障害児施設で働く看護師が経験を基盤に親への関わりにおける認識と実践を変化させていくプロセスに関する質的研究
角本 京子落合 亮太田中 真琴数間 恵子
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2009 年 29 巻 4 号 p. 4_69-4_78

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抄録
重症心身障害児(者)看護の質向上に資するため,重症心身障害児施設で働く看護師が経験を基盤に親への関わりにおける認識と実践を変化させていくプロセスを記述することを目的に,重症心身障害児施設で働く20名の看護師に半構造化面接を行い,グラウンデッド・セオリー・アプローチの手法を用いて分析を行った.その結果,子のケアをしっかりすることで親も満足すると考え〈子へのケアの充実〉を行う段階,できる限り親の要望を表出させ,子のケアに生かす〈親の要望の反映〉の段階,看護師と親がお互い納得できるケアを模索する〈共通認識の模索〉の段階,施設の限られた資源の中でスタッフ間のケアの統一と子一人ひとりを尊重しようとする意識をもつことを目指す〈平等性の追求〉の段階の4段階のプロセスが抽出された.《親には安心して子を預けてもらいたい》という思いがこのプロセスを推し進める原動力となっていた.
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© 2009 公益社団法人 日本看護科学学会
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